2017年03月12日

芦屋市立幼稚園・保育所統廃合のここが問題!

 芦屋市が2月13日に明らかにした市立幼稚園・保育所の統廃合計画について、関係者・市民から批判の声が相次いでいます。
 日本共産党芦屋市議団は、2月13日の市議会全体協議会で私・平野貞雄が、3月6日の本会議総括質問では森しずか議員が、統廃合計画を厳しく批判し撤回を求めました。また、13日の市議会予算委員会民生文教分科会ではひろせ久美子議員がこの問題で、新年度予算にかかわる打出保育所の「民営化」を中心に取り上げる予定です。
 市議会での追及や当局の説明会で明らかになった点も含めて、統廃合計画の問題点を整理しました。

●市民不在の計画策定…プロセスに重大な問題
・市は今回の統廃合計画を、27年3月に策定した『子ども子育て支援事業計画』で「市立幼稚園と市立保育所の適正な規模についての整備検討を行います」としていることの具体化だと説明しています。しかし今回のような大規模な統廃合を「適正な規模についての整備検討」で正当化するには無理があると言わねばなりません。昨年の11月に幼稚園の「適正規模と配置」について答申を出した「学校教育審議会」でも、保育所との統合には全く触れておらず、同審議会の「答申」(以下、答申)をもって、今回の統廃合を正当化することにも無理があります。市の説明会(10日)では、審議会の市民委員からも進め方に疑問の声が出されました。地域の子育て環境に重大な変化をもたらす今回の統廃合計画では、市民の「参画と共同」の視点からも、市民参加のもとでの議論を経る手順が必要です。
市は、3月中に開催予定の「芦屋市子ども子育て会議」(法に基づいて、関係者・市民代表なども参加する会議)を単なる「報告」の場に留めず、あらためて議論し直す機会にすべきです。
・市は最終的に「総合教育会議」(2月3日開催)で決めたとしていますが、これにも重大な問題があります。そもそも「総合教育会議」は、市長と市長から独立した行政委員会である教育委員会の「協議調整」のために地方教育行政法で設けられた会議です。「協議調整」のためには、事前に教育委員の合議機関である教育委員会としての意思を正規の「教育委員の会議」で確認しておく必要があります。しかし、教育委員会では非公式の「協議会」は開いても、正式な意思決定の会議「教育委員の会議」は開いていません。重大な瑕疵があると言わねばなりません。「総合教育会議」のあとの「教育委員の会議」で「報告」をしていますが、「報告」で済ますことではありません。

●「待機児解消」につながらない『統廃合』 
・市は保育所の待機児解消を統廃合の理由にあげ、374名の定員増が見込めるとしています。しかし、新設する市立認定ごとも園の保育部分を入れて公立全体で増えるのはわずか30人分に過ぎません。あとの344名は統廃合とは別に誘致する民間の保育所(ハートフル福祉公社移転後跡地)、認定子ども園(浜風町、涼風町)、小規模保育所(市役所新分庁舎内)での増員です。しかも統廃合で廃園・民間移管(民営化)となる市立打出保育所、同大東保育所は移管後の定員に変化はなく、待機児解消には全くつながらないものです。

●民営化は退職保育士の「不補充」による財政削減が目的? 
・市は、2保育所の廃園・民営化の理由として、29年度末から34年度末までで市立2保育所分の保育士に相当する31名が定年退職となる問題をあげています(*1)。しかし、これは説明会でも市民から指摘されていたように「新規採用」で補充すればよいことで、廃園・民営化につなげることは行政の怠慢であり、統廃合計画について「子どもの最善の利益」を口にしながら、結局はコスト削減が目的と言われても仕方のないことです(*2)。
*1⇒29年度末5人、30年度末10人、31年度末〜33年度末各2人、34年度末10人が退職見込み。
*2⇒市は29年度から10年間の「長期財政収支見通し」で、今回の統廃合が実施された場合8億1千万円[保育士の人件費4億円、維持補修費等4.1億円]のコストが削減されるとしている

●「子どもの最善の利益」とは真逆
・市は統廃合を「子どもの最善の利益」につなげるとしていますが、これまでの市の方針に照らしても矛盾があります。統廃合によって地域の子育てセンターが遠くなり利用しにくくなるとともに、通園区域が広がり、教育委員会が進めてきた幼稚園への「徒歩通園」に無理が生じ、説明会でも「手をつないで行ける所で親子のきずなが深められることを大事にしてほしい」との声が出されています。
市は認定子ども園によって幼稚園教育が引き継がれるとしていますが、同じクラスに2時に帰る子(1号認定=従来の幼稚園児)と残る子(2号認定=従来の保育所児)が混在することとなり、それに対応したカリキュラムとなることによって、これまでの幼稚園教育がそのまま引き継がれることには成りえません。市民からも評価の高かった幼稚園教育が継続される保証はありません。
 芦屋市・教育委員会は、関係者の努力と地域で培われてきた幼稚園教育を守るべきです。

●市の都合で方針転換?…幼稚園の「3歳児保育」
・市はこれまで、市立幼稚園での「3歳児保育」実施は、すでに実施している民間園との児童の取り合いになるとして、実施しない方針を頑なにとってきました。ところが今回の統廃合計画では、市立認定子ども園の「1号認定」で3歳児から受け入れるによって幼稚園での3歳児保育の要望に応えられるとしています。認定子ども園には、市外に出ている3歳児を市内に呼び戻すことになり、市内民間園との競合は起きないという市の説明には何の保障もなく、これまでの市の説明とは大きな矛盾です。説明会でも「公立認定子ども園でできるなら、なぜ公立幼稚園でできないのか」(元PTA役員)と厳しい指摘がされています。
芦屋市は、今回の計画を撤回し、保育所の待機児解消にもつながる公立幼稚園での「3歳児保育」実施にとりくむべきです。

●公立保育所の減少は公的保育の後退 
・社会保障としての公的保育の中核を担うのが公立保育所です。芦屋市立保育所では保育士の配置基準の上乗せや看護師の配置、給食のアレルギー除去食など、保育水準の向上を高め、民間認可保育所を含む市内の公的保育の水準をリードする役割を担ってきました。まさに公立保育所が中心になって「子どもの最善の利益」を追求してきたと言えます。しかし、国による「民間活力導入」「保育の市場化」路線の中で、公立保育所が長期間つくられず(*3)、民間依存による弊害は一部社会福祉法人による不正(*4)ともなって表れています。公立保育所の減少は公的保育の中核がやせ衰え、公的保育全体の水準低下を招くことになりかねず、「子どもの最善の利益」に逆行すると言えます。
  芦屋市は、公的保育への責任を後退させず、市立保育所の建設こそ進めるべきです。
*3⇒芦屋では1982年[昭和57年]に新浜保育所が開設されて以来35年間も市立保育所増設はなし。
*4⇒昨年、芦屋でも社会福祉法人『夢工房』の前経営陣による不正経理問題が発覚。



posted by 平野 at 11:37| Comment(1) | 政策
この記事へのコメント
ブログと関係のないコメントで失礼します。
市の掲示板に以下のような集会のポスター。当該団体の過去の活動内容から判断して、また演者の顔ぶれからして「後援:芦屋市、芦屋市教育委員会」は適当とは思えないのですが。
http://heigokai.blog.fc2.com/blog-entry-2011.html
Posted by 読者 at 2017年03月14日 00:05
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